はじめましてこんにちは。20年弱、付かず離れず時計好きをしているものです。このような素敵なサイトがあるとは露知らず、ワクワクしながら拝見させていただいております。
で、私もちょっとぼやいて見ようかなーと…。あくまで個人的見解ですので、その辺は御了解下さい。
セイコーについて…
セイコーに限らず、日本の企業は時計に限らずなんというかノンポリ。
機械式時計を絶滅危惧種にまで追い込んだ立役者でありながら、商売になるとわかると、手のひら返したように「機械式時計?あぁそれウチもすごいんです」って。そりゃ無いよって思います。で、雫石なんてやってますけど、またまた市場が冷え込んで商売にならないとわかると、たぶん撤退。その数年後には「部品が無いので直せません」。
こういうのお得意ですよね。日本は。スイスのメーカーがどれだけ苦悩して今日にたどり着いたことか。そのおいしいとこをさっとさらっていくんですから。日本の今後の時計業界がとっても心配です。特に学校に行って勉強して立派な時計師を目指している方の将来が…。はたして20年30年後に時計師として食っていけるのか?…。
マーケティング…
嫌いな言葉です。確かに市場調査は重要でしょう。しかしそれはあくまで材料であって全てではない。日本の多くの企業は全てになってしまっている気がします。だから商品に力が無い。良いか悪いかは売って見なけりゃ判らんけどこれどうじゃ〜!!っとか、こんなんつくってみたぜーってくらいでやってほしい。そういう勢いは製品ににじみ出ると思う。昔の製品が今尚輝いて見えるのはそういう意気込みがあったればこそとおもうのです。
「スイス製」について…
確かにスイスの時計で名が通っているブランドで値段もそれなりで、せっかく買ったのに?こんなもんかい? ありますよねそのパターン。
時間合わせの件しかり、操作感しかり。でも最近あんまり気にしないのです。やっぱり日本人は細かすぎるんだと思いますね。多分。また情報が先走りして、頭の中に理想像が出来上がってしまっていて、実物がその域に達しいないと満足できない。メディアもよくないんです、高性能とか精密とか謳いあげすぎかと。けっしてスイスのメーカーがあぐらをかいてるわけじゃないと思うのです。むしろがんばりすぎてるんじゃないかと… これはあくまで個人的見解ですけれど、最新の工作機械を導入したり、あんまり好きじゃないんです。この(時計業界)では時計職人の技がって良く話題になるけれど、むしろそういう風なスイスであってほしいのです。人間の限界って言うか、手作業で何処まで出来るのかみたいな。
操作感についてはあくまであくまで「感」なので個人的嗜好の問題もあるような…どうでしょう? 7750の「ぐ〜るぐるじぃー」は私嫌いじゃないんですよね(笑)なんというか、あぁ一生懸命人の手で造ったものなんだっていう感じが、その未完成?的なところににじみ出ているような…。
ゼニスあたりも最新の機械を導入したのは結構最近の事で、私の記憶では90年代までは60年代の工作機械でエルプリメロを製造していたはずです。たぶん全てではないにしても今もまだ現役の機械はあるのでしょう。それをして時代遅れとかニーズに合わないというのは早計かと思います。
求める物への矛盾…
写真関係の仕事をしております。
御存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、写真業界は今まさに「クォーツショック」状態です。そうです。デジカメです。N社の様にフィルムカメラは作らないと言ってのけるメーカーもあれば、二束のわらじでのらりくらりとしてるメーカーもあります。
それはさておき、デジカメの反動でフィルムカメラプチブームが起こり、にわか銀塩ファンが増えました。言うことはたいてい決まっていて、「銀塩写真にはデジカメに無い温かみがある」と… ところがです。実際出来上がってきた写真をみて言うのは「色が悪い」「ピントが合ってない」「ゴミがある」です。 いかに私たちがデジタルの世界にならされていることか。結局雑誌やら何やらで頭の中に世界が構築されているだけなんです。だから自分が普段持っている感覚とのギャップに耐えられない。時計も似てるんだと思うんです。確かに精度は重要でしょう。でも、所詮はぜんまい仕掛けなんですから限界がある。使っているうちにガタもでるでしょう…でもでもそうやって身を削りながら時を刻むこの機械が愛しい…。そんな風にやさしくおおらかに好きであってほしいのです。
(レコード好きなんです。で、レコードの何処が好きって聞かれると、身を削って音を出してるとこって答えます。はっきり言って音が良いとか本気で思いません。ノイズも出るわけだし。でも、「性能としての音」と「味わいとしての音」は違う。そして無意識に1回聞けばその分確実に盤面が削れてるって感じているからきっと良く聞こえるんじゃないかな…)=「性能としての刻」 「味わいとしての刻」
クロノグラフ…
クロノグラフ大好きです。時計好きの方の多くは最後はやっぱりシンプルな三針とかになるんでしょうけれど、ねっから機械好きの私はクロノグラフの機械を見るだけで沸騰しますね。もう、たまりません。
時計に限らずメカニカルなもの大好きです。
例えば…
万年筆→シェーファー スノーケル。
ライター→カルチェ オーバル。
等々
カルチェのライターは普段使ってますが、カルチェだからではなく、メカがたまらないからです。したがって現行モデルには興味なし。
現在使用中の時計…
クラスエルプリメロHW
これって反則ですよねやっぱ…。何処を見ても世界初の専用設計自動巻きクロノグラフってことでエルプリメロの評価がなされているわけですよね。自動巻きってとこがポイントなわけですよねぇ…。でもやっぱり手巻きの魅力に抗し切れずに手が出てしまった一品です。
しかもこの頃のゼニスは異様に?安かった…。でもあれくらいの値段が正当なのかもしれませんね。ある意味ゼニスは創業者の理念を正しく守ってきたといえるのかもしれません。経営戦略的には失敗だったかもしれませんが…。LVMHに入りぽんぽんと値段が上がっていったのにはビックリしました。
なんだか長くなってしまいました。申し訳ありません。
あくまであくまで私の思うところであり、人それぞれ思うこと、考え方あるかと思います。いずれにしても楽しく時計好きを続けていければと思う次第です。