クロノグラフとは | 作動の図解 | メカニズム分類 | ムーブメント写真 | 歴史 | オールドムーブ仕様 | 最新ムーブ仕様
クロノグラフを動かす手段は様々です。「作動させる仕組み」と、時刻機能から「動力を連結する仕組み」の2つがキーとなります。 |
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メカニズムのカテゴリーコスト面やスペースに有利なカムとスイングピニオンが主流の中、ゼニスやレマニアなどの高級機種は、今でもコラムホイールとキャリングアームによるクラシカルなメカニズムです。一方、近年、ロレックスをはじめとする自社開発された新しいムーブメントには、精度の面で有利な垂直クラッチ方式が多く採用されるようになりました。 【有名ブランドの代表的モデルが採用する方式】
(*) 自社開発ムーブメント |
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作動方式クロノグラフの作動を制御する方式には、上のサンプルのような「コラムホイール式」と、現在の主流である「作動カム式」の2つがあります。 |
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コラムホイール式(ピラーホイール式)プッシュボタンを押すときの指の力が動作に影響を与えず、クラッチやレバー類に無駄なトルクがかからないため、次のメリットがあります。 ・ ボタンの操作感が良い ・ アームやクラッチ等の作動が安定 |
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作動カム式現在の主流であるカム式は、高い工作技術が必要なピラーホイールと比べ、コストが低く大量生産に向いています。 ・ 低コストで製造、メンテナンスが容易 ・ カム作動時に強い力が加わる ・ ボタンの操作感が重い |
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伝達方式動き続ける秒針の歯車から動力を伝達・切断する方式には、古典的な「キャリングアーム式」、現在の主流の「スイングピニオン式」、そして近年注目されている「垂直クラッチ式」の3つです。 |
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キャリングアーム方式伝統的な技法で、稼動するメカニズムが大きいので視覚的なメリットがあります、しかし、その分、発停時のトルクロスが大きいため、テンプの振り角が一時的に落ちて精度に影響を与えます。 ・ 見た目が良い(多くのメゾンが美観を理由に採用している) ・ 針が飛びやすく調整が難しい ・ 作動時にテンプの振り角が落ちる(精度に影響を与える) |
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スイングピニオン方式19世紀末にホイヤーが考案した方式で、下段の時刻機能と上段のクロノ機構を細い回転軸(ピニオン)で接続します。発停時のトルクロスを抑えることができます。 ・ 無駄な動きがなく省スペース ・ 低コストで量産向き ・ 作動時に針が飛びやすく調整が難しい |
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垂直クラッチ方式(摩擦車方式)アームでクロノグラフランナーを持ち上げて動力を切り離しておき、作動時には、回転している下部の歯車と重なって一緒に動き始めます。発停時のトルク・ロスが少なく針飛びもないため、精度重視の方式です。 ・ 正確な動作で、精度が高い ・ ムーブメントの厚みが出る ・ メカニズムがブリッジの下に隠れてしまう |
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独立輪列方式(ジャガー・ルクルト デュオメトルcal.380)クラッチがない革新的な方式。 クロノグラフ専用のゼンマイと輪列を別に持ち、末端の星型脱進歯車が、時計用の脱進機構と噛み合うことで動き出します。発停レバーで星型脱進歯車を止めると、時計側と噛み合わない絶妙な位置で停止するので、クロノ輪列が止まった状態でも時計は動き続けます。 ・ 発停時のトルク・ロスがない ・ 作動中もテンプ振り角が落ちない(精度が高い) ・ 量産が困難 |
その他のメカニズムスライディングギアクロノグラフランナー(秒積算)と分積算を連動させる仕組み。ハンマーでゼロポジションにリセットする時、スライドしてクロノグラフランナーと分積算計を切り離します。 リセット方式 |