札幌時計台の資料館に展示されている1900年代初期の塔時計用の機械です。ボストンのハワード社製でシリアルNo.3867。 振り子式時計で、動力は重錘(おもり)が重力で下がる力を利用します。 コーンウォールの絨毯工場に据え付けられていたものを平成10年に修復して展示したそうです。
人の背丈ほどの大きさで、修復され綺麗に磨き上げられて、そのゆっくりとした動きを近くで観察することができます。
ちなみに、札幌時計台自体も同じくハワード製の機械を使っています(シリアルNo.738)。
設置されたのは明治14年(1881年)で、現役の塔時計では日本で最古だそうです。非常に精度が高く当時は札幌の標準時計とされていました。
機械は「時打重錘振子式四面時計」とよばれ、時間を鐘で知らせる機構を持ち、上の3867と同様おもりと振子で動き、時計に4面付けられます。
非常に大きなもので、文字盤の直径は1.67m、分針0.85m、時針0.63mもあります。文字盤は5階、機械本体は4階に設置され、振り子は3階まで吊り下がって振れています。動力用のおもりは時計用と鐘を打つハンマー用の2つを持っています。2階まで下がってくる時計用のおもりは50kg、1階まで下がってくるハンマー用は150kgもあり、かなりのトルクと継続時間を発生させるのでしょう。一回見てみたいものです。