- アガキ
- 受石と歯車の軸、香箱と香箱真の接点の適度な隙間(あそび)のこと。潤滑油のために必要。
- アカデミー
- ->独立時計師協会
- アクリルガラス
- ->プラスティック風防
- 足
- ->ラグ
- アップライトインデックス
- 印刷ではなく、はめ込み式の数字や棒状の立体的なインデックス。植字式。プレス形成するエンボス式も同様。
- 穴石
- 回転する歯車の軸を上下から支える台座の石で更に外側には受け石が付けられる。磨耗に強い人工ルビーが使われる。
- アナログ時計
- 針とインデックスで時刻を表す時計。<->デジタル時計
- アニュアルカレンダー
- 2月以外の月末の日付(30日あるいは31日)を自動補正するカレンダー。オートカレンダーともいう。パーペチュアルカレンダーよりも安価。
- アビエーションウォッチ
- ->ナビゲーションウォッチ
- アラームウォッチ
- アラーム付きの時計。バルカンのクリケット、ルクルトのメモボックスが有名。時計用とアラーム用の2つのゼンマイを持つ。リピーターとは別物。
- アンクル
- 脱進機を構成する2つの爪をもつ錨に似た形の部品。ガンギ車の歯を2つの爪で交互に進めるつつ、テンプや振り子に往復させる動力を与える。
- アンチショック(耐震装置)
- 天真(テンプの軸)をショックから守る装置。受石を柔らかいバネで支えて弾力によってショックを吸収する。輸入時計ではインカブロックが多い。
- アンティコルム
- 1974年にジュネーブに設立された時計オークションの世界的に有名な会社。
- アンティークウォッチ
- 1960年代までのもの。電池式のクォーツ時計が登場する1969年よりも前のものという解釈でもよい。
- 石
- 歯車やテンプの軸を受けるための台座の穴石や受け石のこと。磨耗を防ぐために人工ルビーが使われる。 耐久性の高い時計や歯車の多い複雑時計ほど石数が多い。単純な2針時計で17石の場合、テンプに5、アンクルに4、ガンギ車に2、四番車に2、三番車に2、二番車に2、香箱に0の計17個。
- 一番車
- 香箱に付けられる歯車。
- インカブロック
- 1939年にスイスで発明されたアンチショック(耐震装置)。
- インダイヤル
- ダイヤル(文字板)の中に配置されている小さいダイヤル。クロノグラフの積算計や秒針等。
- インデックス
- 時間や分を表す目盛、数字のこと。アラビア数字(1、2、3・・・12)、ローマ数字、バーやドット等が使われる。
- ウォッチ
- 柱時計や置時計のクロックに対し、携帯する腕時計や懐中時計をウォッチという。定義は、どんな姿勢でも動作し、かつ携帯することを目的とした時計。
- 受け石
- テンプや歯車の軸を上下から支える石で、内側には穴石が付けられる場合もある。磨耗に強い人工ルビーが使われる。
- 裏スケルトン
- ->シースルーバック
- 裏蓋
- 時計のケースの裏側の蓋。ねじ込み式(スクリューバック)、はめ込み式(スナップバック)、ネジ留めがある。
- ウルトラスリム
- 極めて薄い時計。ムーブメントの厚さは2mm未満で高度な技術が必要。ブランパン、ジャガールクルトが有名。
- 永久カレンダー
- ->パーペチュアルカレンダー
- エクステンションブレス
- 伸縮する金属ブレスのこと。コマとコマの間にバネがあり腕にフィットする。
- エスケープバルブ
- 飽和潜水の時に時計内に入り込んだヘリウムを排出させるバルブ。飽和潜水とはヘリウムと酸素の混合ガスで体を水圧に耐えられる状態にしてから潜水する方法。
- エタブリスール
- ムーブメントメーカーや部品メーカーからパーツを仕入れ、加工、調整し時計を完成させる一般メーカー。オメガやブライトリング、タグホイヤー等。一方、全てを一貫して自社生産するメーカーをマニュファクチュールという。
- エナメル
- ガラス質を溶かし焼き付けたもの。繰り返し焼付けることで深い光沢が出る。古くから懐中時計の文字盤にも使われる伝統工芸。琺瑯(ほうろう)のこと。さらに高度なエナメル工芸としてクロワゾネ、ジュネーブエナメルがある。類似にポーセリン(陶製)文字板がある。
- エボーシュ
- ETA、レマニア(Lemania)、バルジュー(Valjoux)などのムーブメントメーカーが製造する、汎用ムーブメントのこと。組立を行う時計メーカー(エタブリスール)に納入される。
- エマイユ
- エナメルのフランス語
- エングレーブ
- 彫金で模様を描いて装飾する伝統技法。エングレーブを施す技術者をエングレーバーという。
- エンジンターンド
- 機械彫りの意味。特にロレックスのベゼル細工を示すことが多い。
- オイスターケース
- 裏蓋、リューズをねじ込み式にして防水性を高めたロレックスのケース。開発はイギリスのオイスター社。
- オートクォーツ
- 自動巻きで発電することができる電池交換不要のクォーツ。ティソの商標。オメガのオメガマチック、セイコーのキネティックと同様。
- オートマタ
- からくり人形のこと。機械仕掛けのかごの中の鳥、絵を描く人形やお茶を運ぶ人形等。文字盤や裏側にオートマタを搭載した時計もある。腕時計ではアントワーヌ・プレジウソが有名。
- オートマチック
- 自動巻きのこと。腕につけていれば中の回転錘(ローター)が振れることでゼンマイが自動的に巻かれる仕組み。ロレックスではパーペチュアルという。<->手巻き
- オーバーホール
- 分解、洗浄、組み立て、注油、調整を行うこと。一般的には機械式時計は3年に一度オーバーホールするのが望ましい。
- オーバル
- 楕円形のデザインのこと。
- オーリング
- 防水のために、裏蓋とケースの間に挟みこまれる円形のゴムパッキン。
- 音叉時計
- テンプの振動ではなく、音叉の振動で調速する仕組みの時計。 振動数は数百Hzのため機械式時計よりも精度が良い。日差は2秒程度。クォーツの登場により消滅した。ブローバのアキュトロンが有名。
- 外装
- ムーブメントを収容し、操作、表示、外観を果たす部分。ケース、文字盤、針などの総称。
- 懐中時計
- ポケットウォッチ、提時計ともいう。ベルトのない携帯時計で、20世紀に腕時計ができるまでは懐中時計が主流。
- 回転ベゼル
- 回転するベゼル。ダイバーズウォッチによく使われ、経過時間や残り時間を一瞬で確認できる。
- 鍵巻き
- ゼンマイを鍵で巻く方式。古い懐中時計や壁掛け時計でみられる。
- ガスケット
- リューズの防水性を高めるためのゴム製のパッキン。
- 型
- ->ライン
- カナ
- 歯車の軸のまわりにある小さい歯車。歯車がカナに噛み合い回転が増速される。
- カーベックス
- 手首にフィットするようにカーブした形の時計。1937年グリュエンから発売されたものは中身のムーブメントもケースに合わせてカーブしている。
- カボション
- カットせずに丸く磨いて仕上げた宝石。リューズ等にセットされる。
- 側(がわ)
- ->ケース
- ガンギ車
- 脱進機を構成するとがった歯を持つ特殊な歯車。アンクルの2つの歯が交互に止めたり外したりして1歯ずつ回転する。
- 緩急針
- ひげぜんまいの長さを調節してテンプの振幅時間を短くしたり長くしたりして、時計の進み具合を調整するためのもの。調速機を構成する。
- 機械式時計
- ゼンマイを動力にする時計。手巻きと自動巻きがある。
- キズミ
- 修理の時に目元にはさむルーペ。
- キャビノチェ
- 非常に高度な技術を持つ時計職人の伝統的な呼び方。昔、屋根裏部屋(キャビネット)で時計を製作していたことに由来する。
- キャリオン
- 15分単位の音の専用のハンマーとゴングを追加したミニッツ・リピーターのこと。1997年オーデマ・ピゲは、グラン・ソネリとキャリオンを組み合わせたグラン・ソネリ・キャリオンを発表。
- キャリッジ
- トゥールビヨンの部品の中でテンプと脱進機全体を乗せて回転させるための籠のこと。
- キャリバー
- ムーブメントの型式を示す場合に使われる用語。「ムーブメントはレマニア社のキャリバー2210(数字とアルファベット)」のように使う。
- ギョーシェ彫り
- 文字盤に施された細かい彫り模様のこと。文字盤の光の反射を防止する効果がある。200年前にブレゲが考案したとされる。ギロッシェともいう。
- 切りテンプ
- 正確には補正テンプという。温度補正のためにテンプの輪をカットしたもの。
- クオーターリピーター
- ケースの脇のレバーを引くと、15分単位に音で時間を知らせることができる機構。
- クォーツ時計
- 水晶の振動子を電気で振動させパルス信号に変換し1秒を抽出して時を刻む時計。
- 鎖引き
- ぜんまいのほどける力をまかれた鎖で輪列に伝える機構。ぜんまいがほどけて弱まるトルクを平均的伝達することができる。
- クッションケース
- ソフトにふくらんだ丸みをおびた四角形のデザインのケース。
- グノモン
- 日時計で時間を指し示す影を作る日影棒のこと。
- グランソネリ
- 毎正時と15分単位を自動的に音で告げる複雑機構。オーデマ・ピゲが製作。
- クリスタルガラス
- ->サファイアクリスタル
- クロック
- 置き時計、柱時計や塔時計のように、一定の姿勢で動作する時計。昔は教会の鐘の音で時刻を知らせたところからラテン語の「cloccal(鐘)」に由来。
- クロノグラフ
- ストップウオッチ機能がついた時計。さらに高度な技術を要するワンプッシュ・クロノグラフやスプリット・セコンド・クロノグラフがある。
- クロノメーター
- かつては高精度のムーブメントとして天文台が認定する規格をパスした認定。1951年にスイスのクロノメーター規格が統一され、スイス公認クロノメーター協会(C.O.S.C.)が厳しい精度検査を実施して認定する。->詳細
- クロノメーターコンクール
- 参加したムーブメントの精度を相対評価で優劣をつけるコンクール。スイスのジュネーブとニューシャテル、イギリスのキューテッディントンで開催された。
- クロノメーター試験所
- かつてのクロノメーター試験所は、スイスのジュネーブ天文台とニューシャテル天文台、フランスの国立ブザンソン天文台、イギリスのキューテッディントン天文台(国立物理研究所)、ドイツのハンブルグ水路協会、アメリカのワシントンの米国海軍観測所。特別な最高精度の時計を必要としていた天文学、船舶に関連する施設に由来する。
- クロワゾネ
- エナメル絵画の手法のひとつ。金線で絵柄を作り仕切られた平面をエナメルで仕上げる伝統技法。ユリスナルダンが有名。
- ケース
- 文字盤、ベルト(バンド)を除いた時計の胴体部分のこと。側(がわ)ともいう。ラウンド(円形)、トノー(樽型)、レクタンギュラー(長方形)、クッション(丸四角)、オクタゴン(8角形)等のデザインがある。
- 月齢表示
- ->ムーンフェイズ
- コインエッジ
- コインの外周のギザギザ状の細工。ベゼルやケースに施されるクラシカルなデザイン。
- 香箱(こうばこ)
- バレルのこと。ぜんまいの入った丸い箱。
- コーアクシャル脱進機
- イギリスのジョージ・ダニエルズが考案。摩擦や磨耗を極限まで抑えられ、機械式時計の数年おきにメンテナンスもほとんど不要になる。
- コート・ド・ジュネーブ
- 時計内部のムーブメントの地板やブリッジに施される伝統的な縞模様。
- ゴールド
- ケース素材として使用する。他の金属との合金にして強度を高め色合いも様々。イエローゴールド(YG)金3:銀+銅1、ホワイトゴールド(WG)金6:パラジウム1、ピンクゴールド(PG)金3:銀+銅+亜鉛+ニッケル1、ローズゴールド(RG)成分はピンクゴールドと同様。
- コンパスウオッチ
- 方位磁針コンパス付きの2層式の時計。相互に磁力の影響を受けやすいため耐磁性の強いケースが採用される。
- コンプリケーション
- きわめて高度で複雑な製作技術を必要とする複雑時計を(コンプリケーション・ウォッチ)と呼んでいる。パーペチュアル・カレンダー、ミニッツ・リピーター、トゥールビヨン、スプリット・セコンド・クロノグラフが代表的。これらを組み合わせた時計をグランド・コンプリケーションと呼ぶ。