機械式時計の裏側をのぞく
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ゼンマイ

機械式時計とは?

機械式時計についての基礎

ゼンマイ仕掛けの機械

世界中の時計のほとんどは電気や電池で動きます。G-SHOCKも電波時計もそうです。

でも、今から40年前はすべてゼンマイで動いていました。それも今のように大量生産できず、1個1個を職人が組み立て調整していた手作りの貴重品だったのです。ゼンマイを巻き上げると、歯車が回転を始め、チリチリとゆるやかに針が動き始めます。このような時計を「機械式時計」といいます。

針や歯車の回転を一定に保つ調速機構やカレンダー、複雑なストップウォッチ機能のすべてが、電気やモーターを一切使わないゼンマイ仕掛けの機械なのです。

>>メカニズムの詳しい解説

時刻の正確さついて

機械式時計は1日に10秒から20秒程度のずれ(日差)が生じます。高精度認定である「クロノメーター」であっても±4/6秒が基準です。

種類 制御 振動数 動力 持続時間 日差 その他
機械式 テンプ 2.5〜5Hz ゼンマイ 1日〜2日 ±10〜20秒 腕時計、懐中時計。数年に一度オーバーホールが必要。
振り子 0.5Hz〜1Hz ゼンマイ
重り
1日〜1週間 ±10〜20秒 掛時計、置時計、塔時計。テンプ式もある。
電気式 音叉 150〜300Hz 電池 1年〜2年 ±2秒 クォーツが発表される前の珍しい機構。
クォーツ 32768Hz 電池 1年〜2年 ±0.2秒 ほとんどの時計。電池交換が不要な自動発電もある。
その他 クォーツ 32768Hz ゼンマイ 2日〜3日 ±1秒 セイコーのスプリングドライブ。

電池式のクォーツ時計は月に数秒程度ですから、分刻みのスケジュールで生活する人には正確なクォーツ式の時計が好まれます。

ゆるやかな時間の流れや複雑なメカニズムを愉しむゆとりのある人には機械式時計が好まれています。時計の価値観は10秒程度の誤差では量れないものです。

ゼンマイの手巻きと自動巻き

機械式の腕時計は、ゼンマイをリューズで巻かなくてはいけない「手巻き」と、ローター(回転錘)が腕の振りによって回転しゼンマイを自動的に巻き上げる「自動巻き」の2種類に分けられます。

現在は自動巻きが主流ですが、細部まで伝統的なこだわりを持った高級腕時計には手巻き式が多く、時計愛好家には毎日ゼンマイを巻かなくてはいけない手巻き式が好まれます。

自動巻きムーブメント 手巻き式ムーブメント

自動巻き

手巻き式

ゼンマイの持続時間

ゼンマイで動き続けられる時間は40時間程度です。このため手巻き式の場合は1日に1回ゼンマイを巻く必要があります。毎朝出かける前に自らゼンマイを巻くという日常に魅力を感じる人も多いでしょう。

中には大きなゼンマイや複数のゼンマイで1週間以上も動き続ける腕時計もあります。

オーバーホールが必要

機械式の時計は精緻な機構に手作業の調整が施されています。長年使っていると油切れや僅かな磨耗、ゼンマイ等に金属疲労が起きてきます。このため、数年に1回オーバーホールが必要になります。時計を細かい部品に完全に分解し、1つ1つきれいに洗浄し、再び組み立て直し、注油し、時間の調整を行うのです。

追加情報は「時計の修理とオーバーホール」をご覧lください。

機械式時計の初歩的Q&A、ご質問

いまさら聞けない基本的な質問、初心者の素朴な疑問を集めてみましたので、「機械式時計の初歩のQ&A」をご覧ください。

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時計用語集

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