「調速機と脱進機」は、機械式時計が一定の速度で時を刻むメカニズムです。
その中で心臓部にあたるのがテンプです。この振り子のように振動するテンプの周期を、精密に調整するのが緩急針なのです。
(緩急針を使わないフリースプラングの解説はこちら)
下図は、シンプルな緩急装置のサンプルです。
![]() |
ヒゲゼンマイの外端は、ヒゲ持ちで固定され、中心寄りにヒゲ棒が接触しています。 |
![]() |
現在、もっともポピュラーな緩急装置。 |
![]() |
高級機に採用される緩急装置。 |
![]() ![]() |
見た目が美しいため、クラシカルな高級モデルに採用されることが多い。 |
フリースプラングと緩急針方式のメリット、デメリットの比較です。
< 長所、短所 >
種類 | フリースプラング | 緩急針 |
メリット | 高い精度を安定的に維持できる ヒゲゼンマイの耐久性が高い |
調整の範囲が広い |
デメリット | 調整の範囲が狭い 精度の高い部品が必要 調整に特殊工具が必要 |
精度維持の調整が難しい 緩急針との摩擦によりヒゲゼンマイの耐久性が劣る |