レトロな国産シチズンの自動巻き |
カーブした文字盤、アップライトのバーインデックス |
キャリバー1121J/直径29mm/厚さ5mm/自動巻き/21石/毎時18,000振動 |
1964年製のシチズンのジェット・オートデーター・パラウォーター。
レトロな雰囲気にあふれています。カーブしたシルバー文字盤にゴールドのアローハンドとバーインデックス。20ミクロンの金メッキケースも隅々まで良い仕上がりです。
シャープな航空機がトレードマークのジェットは、シチズンがセイコーと開発競争を繰り広げていた頃の傑作です。中でもこのモデルは、当時のシチズンの英知が結集された意欲的な腕時計なのです。
「ジェット」とは、シチズンが開発した自動巻きムーブメントを搭載していることを意味しています。その独特な外周ローターは歴史的な名機として知られています(61年開発)。
パラショック |
「オートデーター」は厚みのある自動巻きにおいて国産初のカレンダー機能搭載機(62年開発)、「パラウォーター」は1959年に発表された国産初の防水機能です。
そして、「パラショック」こそ、シチズンが誇る国産初の耐震装置です(56年開発)。その性能を証明するために、30メートルの高さのヘリコプターから投下したデモンストレーションが有名です。
まさに、シチズンの十八番を余すことなく搭載した、シチズンらしい腕時計です。
ジェットの後、シチズンの開発はとどまることを知らず、次々と新しいモデルを登場させます。クロノマスター、レオパールと高級機を開発、ハイネス、グロリアス・シチズンで頂点をむかえます。
振り返ると、高精度競争に突入する以前の、シチズンの個性が良く現れているジェットがとても魅力的に映ります。個人的には、腕に着けている間、ローターがクルンクルン回る感触にも強く惹きつけられます。