2レジスター・クロノグラフ/SSケース/直径40mm |
円盤のようなサイドのシルエット |
ETA7750/自動巻き/直径30.0mm/25石/毎時28,800振動 |
シンプルな文字盤 |
以前試用したユングハンスのデモ機です。マックス・ビル・コレクションに追加リリースされたクロノスコープ。60年代にバウハウスの巨匠マックス・ビルが手掛けたデザインを忠実に守っています。
ひときわ目を引く大きな文字盤は、縦一列にインダイヤルが配置されたモダンなイメージでありながら、カーブした文字盤に合わせて先端を曲げた針、ドーム型の風防ガラスが古き良き時代を感じさせてくれます。
バランスよく配置されたミニマルなロゴと数字。マックス・ビルはバウハウス卒業後、母国スイスに戻ってグラフィックデザインの分野で活躍し、特に書体のデザインにおいてはスイス派タイポグラフィの第一人者として知られています。その明快さが強く反映されています。
心臓部には熟成の域に達したスイスETA社のキャリバー7750。
ストップウォッチを駆動させる力強いトルクを発生させ、高い信頼性を誇る堅牢なムーブメントです。タイムグラファーで精度を計測したところ、6姿勢で一様にプラスの数値、最大姿勢差も7秒程度と高い安定性を示しました。
コートドジュネーブとペルラージュ模様が施された高級使用。ネジはペイントしたブルースチール仕様。
大きな文字盤の割りに直径は40ミリと手頃。サイドから裏蓋にかけて絞り込まれたフォルムが厚みを感じさせず、日本人の細い腕にもフィットしてくれます。型押し模様のないマットなストラップはこのモデルにはふさわしく、柔らかいカーフ素材も手首に良く馴染みます。
ストップウォッチのスタートは機械式特有の固めのセッティングですが、細長い針はスムーズに計測をスタートします。インデックスをなめていく細い計測針の長さも絶妙です。
キャリバー7750は文字盤のレイアウトが左右非対称となるのが特徴で、世の中のクロノグラフが一様に同じ顔を持つ所以です。
思い切って9時位置のスモール秒針を廃したことで、30分積算計と12時間積算計の垂直線と、ロゴとカレンダー窓の水平線が見事な調和を生み出しています。
静かに主張する落ち着きのあるスタイルは、日本人向きかもしれません。