直径38mm/厚さ13mm/SSケース |
黒文字盤と白いタキメーター |
オメガで最も歴史の長いシーマスター・シリーズのクロノグラフです。
裏蓋のシーホース |
重量感のある肉厚なステンレスケースは70年代の流行。防水性の高いスクリューバックには、トレードマークのシーホースが誇らしげです。
視認性の高い黒文字盤と赤いクロノグラフ針、外周の白いタキメーター(速度計)は、ダイバーズらしからぬレーシング・ウォッチの雰囲気です。
どちらかというとスピードマスターに近いスタイル。
それもそのはず、そもそもクロノグラフは50年代にシーマスターが先行し、そのバリエーションとしてレース用のスピードマスターが誕生したのです。スピードマスターの裏蓋にシーホースが描かれているのは、その名残です。
このモデルはシーマスターでありながら、レーシング仕様を色濃く反映していることから、当時のカーレース人気がうかがえます。
搭載キャリバーは傑作と名高い321。レマニアの天才技師アルバート・ピゲが開発した手巻き式クロノグラフ(cal.27CHRO.C12)です。1942年に開発された直径27mmのムーブメントは当時世界最小でした。
手巻き/直径27.3mm/17石/毎j時18,000振動 |
コラムホイールとキャリングアームを採用する典型的な高級クロノグラフの仕様も魅力です。
後に、オメガはシンプルな設計のキャリバー861にリプレイスしてしまいます。ところが、この高級キャリバーは高級ブランドのクロノグラフに多く採用されることになります。現在でもブレゲの子会社となったレマニアが作り続けている歴史的なムーブメントなのです。