セイコー婦人用腕時計 |
バーインデックスのオーソドックスな文字盤 |
厚みのあるケースデザイン |
会社の先輩に見せていただいた婦人用腕時計。クリーム色に焼けた文字盤にアンティークの雰囲気が漂っています。70年代のものでしょう。
厚みのあるステンレスケースは、女性用としては珍しい自動巻きだから。中三針、カレンダー付きととても実用的な腕時計といえます。
1881年セイコーの創業はロレックスよりも古く、世界の中でも長い歴史を持つ時計メーカーです。
腕時計の技術を支えたのは、ウォッチ部門の諏訪精工舎(現セイコーエプソン/長野県・諏訪)と第二精工舎(現セイコーインスツルメンツ/東京都・亀戸)です。第二精工舎はキングセイコー、諏訪精工舎はグランドセイコーを開発し、しのぎをけずっていました。特に諏訪工場は世界にさきがけたクォーツ腕時計を開発したことでも有名です。
ちなみに、1947年にセイコーの小売部門が分離して設立されたのが銀座の和光です。
第二精工舎のキャリバー2205Aです。
デザイン優先の女性用腕時計では、厚みの増す自動巻きは本来とりえない選択だと思います。ここは手巻き不要の実用性をとったのでしょう。
cal.2205A/自動巻き/直径17.2mm/25石/毎時28,800振動 |
振動数は8振動(毎時28,800振動)とハイ・ビート設計です。調整の難しい小型ムーブメントを高速化によって安定した精度を求めた結果だと思います。この時代、セイコーは精度向上のために高速化を推し進め、グランドセイコーには10振動のモデルもありました。
よく見るとガンギ車にも受け石があり、石数も25と品質の高さがうかがえます。セイコーの自動巻きということで、独自のマジックレバー式を期待しましたが、通常の片方向巻き上げの伝え車方式でした。