針と文字盤 | 歯車の輪列 | 調速機と脱進機 | ゼンマイの動力 | リューズ操作
難しそうな機械式ムーブメントの構造は以外と単純です。ゼンマイのほどける力が歯車に伝わって針が動くのですが、主な構成部品は次のようなものです。
Shadeで作成した3Dイメージ
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巻き上げられたゼンマイの動力は香箱車を回転させ、二番車、三番車、四番車に伝わります。隣の歯車の中心の「カナ」と呼ぶ歯数の少ない歯車と噛み合うことで順に回転数を上げていき、スピードの違う分や秒の針を回転させることができます。
時計によって差がありますが、例えばそれぞれの歯数が下の表のような場合、二番車が1回転する間に四番車は60回転し、最後に到達するガンギ車は600回転することになります。
< 歯数と回転数のサンプル >
種類 | 香箱車 (ゼンマイ) |
二番車 (分針) |
三番車 | 四番車 (秒針) |
ガンギ車 |
カナの歯数 | なし | 12 | 10 | 10 | 8 |
歯車の歯数 | 72 | 80 | 75 | 80 | 15 |
回転数 | 1/6 | 1 | 8 | 60 | 600 |
ここで、ゼンマイと歯車だけではあっという間にほどけてしまいます。 二番車は分針が付くので1時間に1回転する必要があり、四番車は秒針が付くので1分間に1回転する必要があります。 そこで、この回転のスピードをコントロールする「脱進機」と「調速機」が必要になります。