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完成されたデザイン、高精度、高信頼性からアンティーク市場でも人気があるオメガのコンステレーション。
天文台クロノメーターコンクールで何度も優秀な成績を収めた傑作腕時計を自作復元。
純正文字盤(ダイヤル)
12角形のいわゆるパイパンダイアルと呼ばれるもの。NOS品。 |
純正の針
コンステレーション用の針。 |
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ケース
角ばったラグのコンステレーション用。 |
裏蓋
天文台のメダルが特徴。 |
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尾錠
アンティークの尾錠。 |
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1959年からリリースされた550から始まるこのシリーズはオメガの完成形といえます。スワンネック緩急針、チラネジ無しの平テンプ、両方向自動巻き機能など。
オメガ キャリバー751
直径27.9mm、25石、19,800bph(5.5振動/秒)、50時間駆動。 |
550シリーズ仕様一覧
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※563以降は、リューズを引いて日付を早送りすることができる |
「AS IS」品をE-Bayで入手。
ゼンマイを完全に解放してから作業を始めます。ローターと自動巻き輪列のすべてを外さないと、コハゼをリリースしてもゼンマイは解放されません。文字盤側(裏輪列といいます)を上にして機械台にセットします。
曜日と日付のディスクがあるキャリバー751 | 曜日のディスク | 日付のディスクと押さえ |
曜日と日付のディスクを外しますが、プリントされた部分は時計の顔ですので、ピンセットで触らないよう注意します。
リューズや巻上げ機構の周辺を分解しますが、バネやネジは飛ばさないように注意します。
巻き上げ機構のアップ | オシドリやカンヌキ、ツヅミ、裏押さえ等 | 文字板側の分解終了 |
続いて、輪列側を上にして機械台にセットします。
自動巻き機構が外されたムーブメント | 丸穴車、角穴車、コハゼ | 分解された歯車やブリッジ |
ゼンマイや輪列の歯車、調速機、脱進機を分解していきます。
ブリッジを外した輪列 | スワンネック緩急針のあるテンプ | アンクル |
分解完了です。パーツはトレーに整理しておきます。
分解されたすべてのパーツ |
パーツをベンジンで丁寧に洗浄した後、組み立てていきます。
テンプの耐震装置 | 穴石と受石 |
ゼンマイ | 香箱に巻き入れる | 香箱(一番車)と二番車 |
収めたゼンマイにはメービスの8200を適当につけて、フタをして香箱の真にグリスを注します。
丸穴車と角穴車 | テンプ | 秒針用のカナ |
表輪列 |
ここで、問題は、750系は曜日ディスクがあるのでムーブメントに厚みがあり、カレンダーディスクやツツカナが高い位置にきます。ジャンク品から560系パーツを流用します。
750系と560系のツツカナとツツ車 | 750系と560系のカレンダーディスク |
巻き上げ機構には負荷がかかり破損しやすいので、グリスをしっかり塗布します。
組みあがったら、1段ひいて時刻調整ができること、2段ひいて日付けが切り替わることを確認します。
文字盤側 | カレンダー切替テスト |
文字盤(ダイヤル)を取り付けます。2本の足をムーブメントの穴に挿し、サイドのネジで固定します。
文字板 | 固定ネジ |
リューズを1段引いて、カレンダーの日付けが変わるところまで、回します。その位置が12時なので、針を正確に重なるように取り付けるのです。
針は汚れをおとし、素手やピンセットで傷つけないように慎重に。互いに接触しないように慎重に圧入します。
文字板 | 針 | ハンドプレス |
秒針の軸には受けがないので、裏側から押さえながら、取り付けます。
ケース、リューズ、尾錠を金メッキしました。
文字盤の上からケースをかぶせ、裏側からネジで固定します。
固定ネジ |
続いて、リューズの長さを調節します。
余分な長さの把握 | 新しい巻き芯と金メッキしたリューズ |
このムーブメントのローター(自動巻きの重り)のデザインは美しい。巻き上げ機構が内蔵されたブリッジを取り付け、ローターを回転軸に固定します。
自動巻きのローター | 巻き上げ機構 |
裏蓋はスクリューバック式(ねじ込み式)なので、ケースオープナーでしっかりとねじ込みます。ケースオープナーのツメはエッジが鋭いので、ケースを傷つけないようにビニールの上から挟み込みます。
明工舎(MKS)のケースオープナー |
50年代のオメガの名機、コンステレーションがよみがえりました。
プラ風貌の中心には純正オメガの透かしマーク、カレンダー表示には拡大レンズ |
ストラップは、アンティークウォッチ専門店ルーツにオーダーした竹符(たけふ)のクロコダイルベルトです。