高品質なスイス製アンティーク、今回はシンプルな三針時計をオーバーホールします。
素材は、往年のロンジン、40年代の18金無垢ケースの手巻き。コンディションは、ゼンマイの巻き上げがとても重く、巻き上げてもすぐ止まります。
【注意事項】
あくまで趣味として公開しており、決して専門的な技術レベルではございません。日常的な使用範囲を超えた行為ですので、お使いの腕時計の修理、調整は専門の時計修理業者にご依頼ください。万一ご自身で行う場合は自己責任でお願いします。
LONGINES (スイス製)/18K SOLID GOLD/径37mm/厚9.5mm/手巻き/Cal 12.68Z/17石/18,000振動
針を12時位置にそろえて、剣抜きで取り外します。
ベゼルと本体 | 針 |
リューズを持ちながら、コハゼのロックをずらし、ゼンマイをゆっくり解放します。
コハゼ | ゼンマイの解放 |
リューズをはずし、ムーブメントを取り出します。文字盤はサイドの2箇所の極小ネジをゆるめてはずします。
巻き真 | 文字盤固定のネジ |
風防、ベゼル、ケース、裏蓋、ムーブメント固定リング、文字盤(ダイヤル)、ムーブメント、リューズに分解できました。
CAL.12.68Z/17石/18,000振動 |
文字盤側を上にして機械台にセットします。巻き上げ機構は、金属バネが効いているので、パーツを飛ばさないように注意して分解していきます。
巻き上げ機構 | オシドリ、カンヌキ、ツヅミ車、キチ車 |
続いて、輪列側に裏返し、まずはテンプを取り外します。
固定しているネジをドライバーで | すき間に太めのドライバーを差し込み | ヒゲゼンマイからぶら下がるテンプ |
特徴的なのは、一番受けの裏側にあるコハゼバネです。大きな金属スプリングは、耐久性はもちろん、巻上げ時の心地よいクリック感を出します。
ガンギ車から二番車 | 一番受けの裏側 |
取り外したブリッジは汚れてはいるものの、細かい立体的な成形、面取りされた仕上げ、穴石をささえる金のシャトンなど、オールドロンジンの品質の高さがわかります。
分解したオールドロンジンのキャリバー12.68Z。