レビュートーメン クリケット

Revue Thomen Cricket

直径34mm/厚さ12.5mm/925シルバーケース

共鳴する二重の裏蓋
ホワイトハウスとシリアルナンバーを刻印

文字盤のアップ

Cal.MSR80/28.0mm/手巻き/17石/毎時18,000振動

職場の先輩からお借りしたドレスウォッチの紹介です。

コオロギの鳴き声と評されたアラーム

有名なアラーム腕時計、レビュートーメンのクリケットです。二重構造の裏蓋に共鳴するアラーム音は、コオロギ(クリケット)の鳴き声に評され、そのサイズからは想像できないほどの大きな音を発します。

1947年にバルカン社によって開発されたクリケットは、太平洋戦争中のアメリカ大統領、トルーマンをはじめとして、歴代の合衆国大統領に愛用され続けた時計としても有名です。その後、60年代のスイス時計業界の業績が悪化、MSRグループに統合されてからの86年以降は、このレビュートーメンブランドで生産され続けたロングセラーです。

クラシカルなデザイン

ギューシェ模様の刻まれたベゼル、クリーム色の文字盤とゴールドのインデックスと針が、クラシカルな雰囲気をかもし出しています。アラーム針のペイントされた先端が、良いアクセントとなっています。

柔らかい光沢を放つシルバー925ケースに、ブラックのクロコダイル革ベルトがマッチして大人の雰囲気です。

傑作ムーブメント

レビュートーメンのクリケットにはア・シールド社の量産ムーブメントが搭載されていましたが、この限定時計にはバルカン社が開発したオリジナルのムーブメントが搭載されています。

リューズが3時位置、ボタンが2時位置にあるところで判別できます。

アラーム用のハンマー

巻上げ切り替えのメカニズム

アラーム機構は、大きなハンマーが二重裏蓋の内側の突起を打ち、共鳴させます。時刻と独立したゼンマイで稼動するため、十分な駆動時間を得ることができます。

また、1つのリューズで時刻用、アラーム用の2つのゼンマイを巻き上げる画期的な機構を持ちます。普通の時計はリューズを手前に巻くと空回りしますが、この時計はアラーム用のゼンマイを巻き上げることができます。

右上のボタンで時刻とアラーム時間のセットを切り替えることができます。

すべての部品を自社で製造することにこだわるマニュファクチュール、バルカンが5年の歳月をかけて開発した技術の結晶です。

クリケットのその後

機械式時計の良さが見直されてきた2001年、スイス ル・ロックルのPMH社(Production & Making Horloger)がクリケットの商標権を取得しました。翌年、バルカン・ブランドで発売当時の40年代から50年代のデザインが復刻しました。

上品なドレスウォッチのスタイルだったレビュートーメンのクリケットは、いまや貴重な存在です。