ケース径35mm。ステンレススチールケース、角型のプッシュボタン |
シンプルな無印の文字盤 |
直径31mm/手巻き/17石/毎時18,000振動 |
無銘のデッドストッククロノグラフです。
シルバー文字盤と秒と積算計の2つ目デザインで、とてもシンプルです。夜光塗料も塗られていない、穴の開いたドーフィンハンド(時針と分針)が更にスッキリした印象を与えます。
ブランド名が記されていないのっぺりとした文字盤は、逆に新鮮です。
ムーブメントはランデロン社製キャリバー51です。
ランデロン社といえば、40年代から60年代にかけてクロノグラフのムーブメントを専門に生産していたメーカーです。同時期のバルジュー社やビーナス社などと比べるとやや廉価版の位置づけです。この時計もピラーホイールは使用せず、シンプルなカム方式でストップウォッチを制御します。
ムーブメント全体像 |
しかしながら、もう少しじっくり観察してみましょう。安物というなかれ、スライディングギアとカップリングクラッチ(キャリングアームともいう)で動力を伝達する本格的な作りです。安い板バネではなく随所に金属スプリングを使っています。
ランデロンの特徴はなんといっても、4時の位置の下ボタンでストップウォッチのストップとリセットを行なうところです(通常は上ボタンでスタートとストップ、下ボタンでリセット)。操作感も軽快です。
シンプルな二つ目がなんともかわいいですが、残念ながら油切れをおこしています。さらにはストップウォッチをスタートする時のショックでクロノグラフ針がずれるという典型的、致命的なクセもあります。要メンテナンスです。