シルバー文字盤のオーソドックスなデザイン。 |
「CHRONOMETRE」はC.O.S.C.クロノメーター認定。 |
エルプリメロCal.410/31石/毎時36,000振動/50時間パワーリザーブ/月,日,曜日,月齢表示/COSC認定 |
機械式にして世界で唯一0.1秒を計測できるクロノグラフ「エル・プリメロ」を搭載した「クロノマスター」。 このモデルのエルプリメロCal.410は、ノーマルのCal.400にトリプルカレンダーとムーンフェイズを加えた多機能ぶりで、毎時36,000振動のハイビートは、高精度「COSCクロノメーター認定」を実現しています。
外周がラウンドしたシルバー文字盤とアップライトのローマ数字インデックスはクラシックな雰囲気。 積算計やカレンダー、ムーンフェイズをバランスよく配置しています。 ムーンフェイズの円盤は、ネジや針に用いられる伝統的なブルースティールで、深い青色が良いアクセントになっています。
エル・プリメロは、1969年に誕生した世界初の専用設計自動巻クロノグラフです。
ピラーホイールで制御されるクロノグラフ機構 |
当時の機械式時計が秒5〜6振動の中、0.1秒単位のストップウォッチを可能にする10振動を実現しました。ハイビートに耐えるパーツと潤滑油、強いトルクを発生するゼンマイ、クロノ機構と自動巻き機構を一体化させる設計等、多くの技術が新たに開発されました。
正式名称3019PHCを搭載したクロノグラフは、スペイン語でNo.1を意味する「エル・プリメロ」の名で発売されました。その後、カレンダー、ムーンフェイズ付きの3019PHFを搭載したエスパーダがバリエーションに加わりました。(参考:クロノグラフの歴史)
毎時36,000振動、50時間パワーリザーブ、ピラーホイール、スライディングギア、両方向自動巻き機構など、30年以上たった今でも世界最高峰のクロノグラフといえます。80年代以降、自社モデルだけでなく、ロレックス、エベル、タグホイヤー、ダニエルロート、パネライ、ダンヒル、ルイヴィトンに供給されてきた実績がそれを物語っています。
ここちよい重さは機械式時計の良さでしょう。ハイビート(10振動)なので運針も非常にスムーズです。ただし、ボタン操作は、ピラーホイール式でありながら、最も一般的なカム式のETAバルジュー7750と同じくらい硬いです。ゼンマイの巻上げや時刻合わせのリューズも固めです。いかにも現代の高度な技術で作られた機械式ムーブメントという趣きで、手巻式のオールドクロノグラフのような温かみはないです。
参考までに、代表的な自動巻きクロノグラフムーブメントの仕様を比較してみました。興味のある方は、キャリバー比較表を参照ください。
メーカー ムーブメント |
直径 | 厚さ | パワー リザーブ |
石数 | 振動数 /秒 |
クロノグラフ 制御 |
動力伝達 | ゼンマイ 巻上 |
供給先 |
ゼニス 400 |
30.0mm | 6.5mm | 50h | 31石 | 10振動 | ピラーホイール | キャリングアーム | 両方向 | ゼニス、パネライ等 |
セイコー 6S78A |
28.4mm | 7.2mm | 50h | 34石 | 8振動 | ピラーホイール | スイングピニオン | 両方向 | セイコー |
フレデリックピゲ 1185 |
25.6mm | 5.4mm | 45h | 37石 | 6振動 | ピラーホイール | 垂直クラッチ | 片方向 | ブランパン、コルム、オメガ等 |
レマニア 5100 |
30.0mm | 8.25mm | 45h | 17石 | 8振動 | カム | 垂直クラッチ | 片方向 | アランシルベスタイン、オメガ等 |
ETA バルジュー7750 |
30.0mm | 7.9mm | 42h | 25石 | 8振動 | カム | スイングピニオン | 片方向 | ブライトリング、オメガ、クロノスイス等、他多数 |