グラスヒュッテ クロノグラフ

Glashütte GUB Cal.64 Chronograph

2レジスター・クロノグラフ/直径36mm/厚さ12.5mm

適度に焼けたクリームマットのアンティーク文字盤

古典クロノグラフ

古典クロノグラフ

ドイツ製アンティーククロノ

珍しいドイツのアンティーク・クロノグラフです。50年代のものです。

文字盤の「GUB」の文字は、東ドイツ時代のグラスヒュッテの国営工場で製造されたことを表し、「STOSSGESICHERT」は耐震設計を意味します。裏蓋には防水ケースを意味する「WASSERGESCHUTZT」と記されていて、しっかりとしたスクリューバックです。とても作りの良い腕時計です。

ホワイト文字盤にゴールドの針とアップライトのインデックス、外周にはブルーのタキメーターが良いアクセントとなっています。

堅牢なムーブメント

直径28mmの手巻き式のムーブメントは、ピラーホイールとキャリングアームを採用する古典的なクロノグラフです。

ドライビングホイールの受け

一見して目立つのは、2つのブリッジです。

左の「GUB」が刻印されたブリッジは秒針の下にあるドライビング・ホイールをささえています。バルジューなどの標準的なクロノグラフにはこのような受けはなく、ロンジンやエクセルシオパーク等の高級機に見られる特徴です。

また、シリアルNo.が記された右側のブリッジは、独特な形で、このドイツ製ムーブメントのデザインを特徴付けています。

グラスヒュッテの歴史

グラスヒュッテは古くからドイツの時計産業の中心地として栄えていました。

第二次世界大戦が終わりドイツが東西に分裂した後、ランゲ・アンド・ゾーネをはじめとする東側のグラスヒュッテの時計工場は東ドイツ政府に接収されました。時計工場は統合されグラスヒュッテ時計産業公社(GUB:VEB Glasshutter Uhrenbetrieb)として時計の製造を再開します。

この頃のグラスヒュッテの腕時計は、美しい装飾や高級な仕上げはなく、共産社会の中でシンプルな時計のみを製造していたようです。

1990年にドイツ統一後、時計工場は民営化され、GUB(Glasshutter Uhrenbetrieb GmbH)として新たなスタートをきります。

この時、ランゲ・アンド・ゾーネ(A Lange and Sohne)の商標をスイスのIWCが取得、故ギュンター・ブルムライン指揮のもと複雑ムーブメントの開発に着手し、94年ドイツの超高級時計ブランドとして復活します。

一方、GUBからは、ミューレ・グラスヒュッテ、ユニオン・グラスヒュッテといったブランドが独立した後、2000年にスイス最大の時計グループ、スウォッチ・グループ傘下になり、高級ブランド、グラスヒュッテ・オリジナルとして生まれ変わりました。

こうして、世界大戦、冷戦、ドイツ統一を経て、古のグラスヒュッテの時計産業は復活し、スイス時計産業と融合しながら優れた時計高級腕時計を世に送り出しています。