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ゼンマイの動力

時計のしくみ(4)

リューズからゼンマイ、輪列へ

機械式時計はリューズを回すことで動力源のゼンマイを巻き上げることが出来ます。その流れは下の図のようになります。


赤色:巻上げ
水色:動力

リューズ
ゼンマイを巻き上げたり時刻を合わせるためのツマミ。
キチ車
巻き真の回転を丸穴車に伝えます。
丸穴車
仲介役の歯車です。
角穴車
ゼンマイの中心の香箱真を回転させゼンマイを巻き上げます。
香箱(こうばこ)とゼンマイ
ゼンマイがほどける力は香箱全体を回転させ、外周の歯車、香箱車が輪列に動力を伝えます。
コハゼ
ゼンマイの巻上げが逆回転しないようにするストッパー。

回転する香箱のしくみ

香箱の中のゼンマイ

まずリューズを巻くと、香箱の中心「香箱真」にゼンマイが巻きつけられます。
ゼンマイは元に戻ろうとしますが、ゼンマイの中心は「コハゼ」で逆回転できないため、巻き上げられたのと同じ方向に、ゼンマイの外側がほどけようします。ゼンマイの外端は香箱ケースに引っかかっているので、香箱ケース本体がその方向に回転することになります。
この動力が、歯車の輪列に伝わり、時計が動くのです。


 

ゼンマイと香箱の断面

 

左のように「香箱の真」と「香箱」がくっついていないところがポイントです。

リューズの切替

リューズはゼンマイを巻くために使いますが、引くと時刻合わせをすることができます。この時はゼンマイが巻かれないような仕組みになっています。逆にゼンマイを巻くときは時刻の針が動きません。
この切替の仕組みは「リューズの役割」にて。