近未来的なデザイン |
縦49mm、厚さ14mmのボリュームのあるケース |
直径27.4mm/厚さ7.9mm/自動巻き/17石/毎時21,600振動 |
1970年代にセイコーが発売した自動巻きクロノグラフです。
ストップウォッチ機構は、中心のクロノグラフ針(秒積算計)と6時位置の30分積算計です。秒針はありません。
宇宙飛行士のヘルメットをイメージさせるようなボリュームのあるステンレスケースが特徴です。この頃のセイコーのクロノグラフは様々なデザイン、奇抜なカラーのものが多数発売されました。
このキャリバー6139Bは、国産初の自動巻きクロノグラフで、当時の諏訪精工舎が1969年に開発しました。(21石の6139Aも同時期に開発)
9枚ピラーのホイール |
特徴的なテンプ受け |
裏蓋 |
この年は、ブライトリング連合のクロノマチック、ゼニスのエルプリメロといった歴史的な自動巻きクロノグラフが開発された年でもあります。
しかし、当時、セイコーはバーゼルフェアに参加していなかったため、6139は大きく取り上げられることはありませんでした。
奇しくも同年12月、セイコーは世界初のクォーツ腕時計アストロンを発売し、機械式市場は衰退し、歴史的なキャリバー6139も機械式時計の歴史の中に消えていきました。
クロノグラフの制御には一般的なカムではなく「ピラーホイール」を使用、伝達方式には精度の良い「摩擦車方式」を採用しています。そのメカニズムは、現在のロレックスのデイトナCal.4130と同じ方式です。