3レジスター・クロノグラフ |
直径35mm/厚さ12mm/18K solid gold |
Cal.283/29.5mm/手巻き/17石/毎時18,000振動 |
ユニバーサルの手巻き式のアンティーク腕時計。
古き良き時代の雰囲気が残る典型的な3レジスターのクロノグラフで、計測針はブルースチール、インデックスはゴールドのアップライト、ケースは18K無垢です。
裏蓋の刻印 |
過去、ユニバーサル社はクロノグラフを中心に多くの時計を自社一環生産してきたマニュファクチュールでした。中でも「トリコンパックス」と呼ばれる、トリプルカレンダー付きのクロノグラフは同社の代表作です。1969年のクオーツショック以降、自社開発から撤退しエタブリスール(組み立て生産メーカー)となりました。
この時計は、ユニバーサル絶頂期の1950年代のクロノグラフです。
このムーブメントはユニバーサルの中でもミドルサイズ、13ラインのcal.283です。同社のムーブメントは完成度が高く、12.5ラインのcal.281をベースにサイズやオプションのバリエーションが豊富です。
肉厚なリセットハンマー |
特徴的なのは、肉厚で頑丈なリセットハンマーです。金属疲労しやすいこのパーツにこだわりが感じられます。金メッキの地板と優美なブリッジが美しいです。
古典的クロノグラフ設計の定番である、コラムホイールによる制御とキャリングアーム伝達方式を採用しています。
40年代のエルメスが、ユニバーサルにクロノグラフ時計の製造を委託していたことは有名です。また、ゼニスとモバードが50年代に製造していた手巻き式クロノグラフのキャリバー146は、ユニバーサルの285をベースにしています。
近年、レマニアやETAのムーブメントを搭載した腕時計を発売していましたが、昔日のオリジナリティーは影をひそめ、ロンジン同様に完全に1エタブリスール(組み立てメーカー)にすぎませんでした。
2006年、ユニバーサル・ジュネーブが日本で本格的に再始動しました。バーゼルワールドでは往年のユニバーサルが開発したマイクロローターの自動巻き腕時計が発表されました。新作クロノグラフ、是非ともオリジナルの手巻式クロノグラフの復活も強く願います。